じぶんの体質に何があっているのかわからないとき。
アーユルヴェーダでは、ヴァータ(風)、ピッタ(火)、カパ(水)という、3種類の要素を使って体質を考えます。
どんな人も、必ずこの3つの要素が混ざり合って、体質を作っています。
生まれながらの体質は、親から引き継いだもの。基本的な性質は変わることはありません。
でも、育った環境や、現在置かれている環境で、3つの要素が増えたり減ったりして、体調や精神状態に影響を与えます。
ヴァータ、ピッタ、カパが一体何なのか?がわからなくても、自分の「今」の体質を見極めて、対処することはできます。
たとえば。
冬になると、毎年足のスネが乾燥して粉を吹いたようになる。
という状況があります。
このとき、自分の状態を簡単に単語で表すと、どんな風でしょう?
「乾燥」「カサカサ」
が、しっくりくるのではないでしょうか。
では、この状態を改善したいとき、ボディクリームを塗ろう、と思います。
これは、
「潤い」「しっとり」
の状態です。
「乾燥、カサカサ」の反対にいる、「潤い、しっとり」を身体に与えたわけです。
こんなふうに、何かの状態が過剰になりすぎて、体調が乱れたとき、
過剰になっている状態の反対の状態のものを与える、ということをしていきます。
ヴァータの「乾性」という属性に対して、カパやピッタの「油性」を与えるという方法です。
また、もう一つの手段としては、「乾燥、カサカサ」の原因を作っているものを取り除く、ということをします。
冬になって、湿度が下がり、空気全体が乾燥します。
また、暖房を使い、もっと空気は乾燥します。
厚手のタイツを履いて、皮膚にこすれる刺激が加わります。
冬になることは避けられませんので、加湿器を使うなど湿度を上げる工夫をします。
タイツが化学繊維のもので刺激が強ければ、皮膚と親和性のある絹や天然繊維のものを使用します。
これは、原因を停止させるという方法です。
更には、冬は乾燥する、ということは四季の移り変わりの中で必ず起こることですので、
冬の乾燥に備えて、冬になる前から身体の内側から油質が不足しないように食事内容に気を付けておくことができます。
これは、「カサカサ」した食感のもの、「乾燥」している食事を避け、
「しっとり」「油分のある」食事を摂るということです。
トーストしただけのパンではカサカサですが、バターを塗るとしっとりします。
それよりも、炊き立てのご飯のほうが、しっとりしています。
これは、「足のスネがかさかさする」ということが起きる前からの予防にもなりますし、体質そのものを根本的に改善させる方法です。
カサカサや乾燥だけではなく、
例えば春になって「重い」がある人は、反対に「軽い」を意識し、
夏や秋に「灼熱感」がある人は、「冷性」を意識する、という風になります。
季節だけではなく、今頭痛がするとしたら、
頭を触って熱くて不快か、冷たくてつらいか、
それだけでも頭は冷やすべきか、ニット帽をかぶるべきかがわかります。
忙しくてイライラするとしたら、静かなところでゆっくり深呼吸して、クールダウンです。
怠くてぼんやりするとしたら、運動してからだを目覚めさせます。
自分がいま、どんな状態で、どんな性質になっているか、簡単に言うとどんな感じかな??と気を向けてみて、ちょこちょこと修正をかけていくと、大きな不調にはならずに済みますよ。