こころの消化力
精神は、手足や内臓と同じような身体の器官の一部です。
精神は朝に目が覚めてから夜眠るまで、行動や五感からの感覚によって、絶え間なく情報を受けいれています。
受け入れた情報を、精神がどのように処理するかによって、こころの健康状態がつくられます。
こころが病気になるのは、
悪い情報が入ってきたとき
そんなに悪い情報ではないのに、入ってきた情報が消化しきれなくて未消化でくすぶってしまったとき
の二つのパターンがあります。
例えばPTSD(心的外傷後ストレス障害)になってしまうような、大きな災害に合ってしまったとか、交通事故に出合ってしまったとか、暴力を受けたとか、極端な出来事に見舞われるのは、悪い情報が入ってきてしまったということになります。
あまりに極端な刺激的な情報は、精神が消化しきれず、こころの未消化物を生みます。
その未消化なものが、精神の通り道を詰まらせたり、滞らせたりして、
こころの性質が悪くなり、こころの病気をおこします。
ところが、平凡な通常の毎日で起こる出来事の刺激でも、情報を消化しきれず、こころに未消化物を生み、精神の通り道をよごすことがあります。
たとえば、SNSで同じ情報をみた2人の人がいたとき、一人は内容に怒りや不快感を感じたのに対して、
もう一人はふ~ん、そうなんだ~と、軽くイイネ!を押したりします。
同じ情報を見たのに、それぞれの人で、こころに生まれたものは違います。
平凡な刺激をどのように捉えるかによって、こころで起こる出来事が異なり、それぞれのこころの性質が表面に現れてきます。
こころは五感と直結しているので、五感でうけとったものが、こころを生みだします。
こころが乱れやすいと感じている人は、自分のまわりの環境を、心地よくて優しいものにしておくと、こころに起伏が起きず、未消化物を生みにくくなります。
着るものや、使う雑貨、インテリアなども、刺激が少なく優しいものにします。
刺激が強すぎる色やデザインや、音や、匂いなどは避けます。
ごちゃごちゃした環境も、落ち着かないので片付けます。
また、汚れたり、腐ったり、壊れたりしたものも避けます。
要注意なのは、テレビや雑誌やインターネットなどで無意識に入ってくる情報です。
たとえばテレビショッピングで、すぐに必要ではない便利グッズを欲しくなったり、持っていないとダメな気がして焦ったりしたことはありませんか?
こころに未消化物がたまっているときに、何気ない平凡な情報が入ってきたとき、
知らず知らずのうちに、正しい判断を狂わせるようなことが起こります。
また、知らなければ起きなかった不安や心配や焦りを生むこともあります。
心に未消化物が無く、精神の通り道がきれいな状態で、正しい知識や判断力があれば、
もし何気ない情報が入ってきても、正しく消化して、自分にとって有益か無益なのかを
正しく判断できるので、迷わされたり間違った方向に惑わされることはありません。
そして何より、肉体的に健康であれば、精神が情報を消化する力も強くなります。
こころを良くするために、身体の健康は欠かせません。
こころの病気も、身体の病気も、身体の消化力を高めるために、
正しい食べ方や生活の過ごし方を身につけると、身体が健康になり、こころも丈夫になります。
身体の消化力を高めると、こころの消化力も強くなります。
アーユルヴェーダ的な一日の過ごし方、消化力を高めるセルフケア、
ぜひ一つでも取り入れてみてくださいね。